写真:交通違反,自動車,運転写真はイメージです Photo:PIXTA

最高速度の引き下げで
期待される死亡事故の減少

 9月1日から、主に道幅5.5メートル未満の「生活道路」の最高速度が、時速30キロに引き下げられる[図表1]。半永久的な措置であるため、施行以降に長期にわたる影響が、特に地方部で広範囲に及ぶことになるだろう。

 施行の目的は、人と自動車等が接触して生じる死亡事故を抑制することにある。2017~21年の生活道路での事故履歴からは、自動車等の走行速度が時速30キロまでであれば、事故発生時の致死率(=事故に占める死亡者率)が1%を下回る実情が認められた[図表2]。このデータに沿って、「制限速度を引き下げて死亡事故を防止・抑止すべき」という結論が導き出されたことが想像に難くない。

 施行時期を9月1日からとした背景には、一定の周知・準備期間の設定がある。施行令の改正自体は、24年7月23日に当時の岸田内閣下の閣議で意思決定されており、それから2年程度は時間が必要と判断された模様だ。施行に伴い、生活道路での死亡事故は減少するだろう。その一方で、誤解を恐れずに言えば、この制度は「事故リスク」を減らす代わりに、「地方経済の負担」を招く可能性もある。