通話アプリ新興企業の米Discord(ディスコード)は人気の急上昇を追い風に売上高と企業価値を大幅に伸ばしている。同アプリには、成功しているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の大半につきものの広告がない。このやり方が変わることはない、と同社の最高経営責任者(CEO)は語っている。ディスコードは昨年、ユーザーに限定特典を提供する定額登録(サブスクリプション)のみによって、売上高を約3倍に伸ばした。これとは対照的に、フェイスブックやツイッター、スナップなど無料SNSを運営する企業は、ユーザーの個人情報の共有によって構築されたターゲット広告を主に販売している。ディスコードの共同創業者でCEOを務めるジェイソン・シトロン氏(36)はインタビューで、広告は余りに煩わしいため、同業他社が好む広告モデルは敬遠していると述べた。ディスコードを使う人々は受け身で投稿を読んだりコメントしたりするのではなく、リアルタイムで会話をしているとも指摘。消費者は一般的に広告を嫌っており、個人情報をブランド各社に共有されたくないと思っているとの見方を示した。