さいたまブロンコスは開幕から連敗が続き、いまだに光明を見いだせない。それに追い打ちをかけるような「事件」が起こる。ホーム開催4試合の会場について、使用をキャンセルするという一方的な通知が所沢市から届いたのだ。チームの代表である池田純氏は、この事件を、日本におけるスポーツビジネスの位置付けがまだまだ低いことを象徴するものだと語る。東京五輪の開催に反対の声が広がった理由にも通じる、スポーツと政治のいびつな関係と、それを改善するための突破口を示す。
ホーム4試合の興行崩壊で150万円の大損害
そろそろ緊急事態宣言も解除され、聖火リレーも始まろうとしています。しかし世間を見渡しても、五輪気運が高まっているようには私は感じません。もう4カ月しかなく、先行きの不透明さと開催への不安が払拭されないまま、アスリートが粛々と準備を積み重ねている姿を想像すると心が痛みます。何兆円もの税金が投入されているのに、1964年の東京オリンピック以来の国を挙げての一大スポーツイベントなのに、「人類が新型コロナウイルスに打ち勝った証し」というメッセージは国民の心に響いておらず、非常に残念でもったいないことです。
一方、さいたまブロンコスは、4月に開催予定だったホーム4試合について、確保していた会場が新型コロナウイルスの接種会場になったことで突然開催ができなくなるという事態に見舞われました。突然のことに私たちも途方に暮れ、ファンの皆さんにもご心配をおかけしましたが、練習場所としてお世話になっている伊奈町の日本薬科大学の「体育館」で、異例ではありますが、どうにか「試合」として開催することだけは可能になりました。
しかし興行が壊れた結果、損害額は優に150万円を超えます。入場料収入100万円程度。グッズ収入50万円程度。この大損害をどう埋めるかについて、職員一同の四苦八苦の毎日が続いています。