朝日健太郎、池田純

新型コロナウイルスの感染拡大で緊急事態宣言の再発令が決まった。これは今年7月に開催が予定されている東京五輪にとって、致命的な決定となる可能性があり、今後、世論はますます中止へと傾くことが予想される。しかし、それでもなお、政府・与党幹部は東京五輪の開催への執着を止める気配がない。その中枢たる東京五輪実施本部の事務局次長であり、選手としてオリンピックを経験した政治家は、東京五輪の価値、開催の可能性をどのように考えているのか。バスケットボール競技の会場となるさいたま市を本拠地とするさいたまブロンコスオーナーの池田純氏と共に語る。

東京2020を国民の「元気玉」にするために

――コロナ禍によって延期になった東京オリンピック・パラリンピック大会の2021年開催が検討されています。大会開催について、考えをお聞かせください。

朝日 安倍晋三総理(当時)が大会の1年延期を宣言されたのは、20年3月24日でした。難しい判断だったと思いますが、IOC(国際オリンピック委員会)や東京都との調整を迅速に進めて、早い段階で決断されました。

 あれから10カ月ほどがたちますが、コロナ禍は現在も終息せず、アスリート、大会関係者、国民の皆さんの全てが、21年に果たして開催できるのかと不安に感じていらっしゃると思います。私は、大会実施本部の事務局次長という立場で、「必ず予定通り開催する」という前提で準備を進めています。最も重要なのは、大会の安心・安全をどこまで確保できるかです。道のりは険しいと思いますが、成功に向けて一つ一つ問題をクリアしていきたいと思っています。