企業はテクノロジーに多額の資金を投じている。そして、多額の資金を無駄にしている。その原因は何であれ、IT(情報技術)投資で過ちを犯す可能性はかつてないほど高まっている。新型コロナウイルス禍を受け、企業は社員の在宅勤務への急速な移行に対処するため、以前にも増して新たなツールの導入を急いでいるためだ。調査会社ガートナーによると、今年の世界のIT支出は前年比6%増の3兆9000億ドル(約423兆円)に達する見通しだ。「コロナで誰もがデジタル化の加速を目の当たりにしているが、ビジネス上の成果を追跡している組織はほとんどない」。ガートナーの調査担当責任者、ジェームズ・アンダーソン氏はこう話す。「どこに無駄使いをしているのか? 彼らは投資を左右するビジネス指標を使用しておらず、ただ言われたことをしている」