日本企業の株主優待を「ガラパゴスで時代遅れ」と侮る投資家の落とし穴機関投資家からの評判がよくない株主優待。本当にガラパゴスで時代遅れの制度なのか(写真はイメージです) Photo:PIXTA

日本だけでない株主優待
英企業では25%割引券も

 日本株には株主優待という制度がある。ただ株主優待は、企業の期間利益を株主の保有比率に応じて分配する配当と異なり、鉄道の乗車券やレストランの食事券などを保有比率と大きく連動させず、株主それぞれに付与することが多く、機関投資家からの評判は悪い。機関投資家にとってみれば、投資先企業が株主優待を廃止し、配当をさらに引き上げることが望ましい。株主優待は時代遅れで、日本独特の仕組みだという指摘もある。

 しかし株主優待は、日本だけの制度というわけでもない。朝日新聞出版のニュース・情報サイトであるAERAdot.は、米英2社の株主優待を紹介している。

 英国のTRG(The Restaurant Group)は、英国で「GARFUNKEL’S」というレストランチェーンを展開しており、著名な日本食レストラン「wagamama」を買収した企業でもある。同社のウェブサイトによると、同社株を250株以上保有する投資家は、同社レストランにおいて25%割引で食事できる株主優待が得られる。この株主優待は1年間有効だ。

 米国のCarnival Corporationは、クルーズ運行会社である。同社株主は、北米クルーズで14日間以上乗船すると、船上で使える250米ドル分のクレジットを受け取ることができる。