「2つで500円」「3つで1000円」の表示は消える?

 ご存じのように、商品の値段は端数で終わるものが多い。スーパーに入れば、88円、198円、398円等の数字が並んでいるのはおなじみの光景だ。これは本体価格=税抜き価格だが、現状ではこちらの方が大きく表示されている。よくある「98円均一」「よりどり980円」でアピールしている数字も税抜き価格だ。

 しかし、4月からはこれが難しくなる。

 例えば、手元のスーパーのチラシには「94円均一(参考税込み価格101円)」「2品よりどり500円(参考税込み価格540円)」という表記がある。まだ3月なので、今のところ( )内の数字はごく小さく添えられているだけだが、4月以降は「101円均一」「2品よりどり540円」になるのだろうか…。どうもパッとしない。

 しかも、消費税は複数品の合計額に対して計算される場合もあり、必ずしも一つの商品の総額表示通りの金額にはならない。これまたモヤモヤする。なお、許容される表示の例として「3品よりどり1000円(税込み1058.4円)」とし、1000円だけを強調しすぎないなら良しとの一文もあるが、どのくらいの大きさで表現すればお上に叱られないか、店側も様子見というところではないか。
※なお、1円未満の端数は四捨五入・切り捨て・切り上げのいずれかで処理される。

 ちなみに、財務省のQ&Aによれば「1万円均一セール」は価格表示というよりは宣伝文句に当たるとの扱いだ。ただし、実際に売られている商品には1万800円、あるいは1万1000円の値札を付けなくてはいけない。現在も「本体価格500円均一セール」など、なんとも苦しい表現もあるが、果たしてどうなるか。

 また、均一価格といえば「100円ショップ」が気になる。財務省によると、店の看板については名称(屋号)の表記と考えられるため、総額表示義務の対象には当たらないとの回答だ。とはいえ、店内商品については108円もしくは110円の値札が張られることには変わりない。100円商品がない100円ショップは、文字通り看板に偽りありだ。