1位に輝いた日本郵船が
コロナ禍でも収支が改善した理由

 営業利益上方修正率ランキングで1位に輝いたのは、船や航空機での貨物輸送などを手掛ける日本郵船だ。

 期初には2020年度通期の営業利益を50億円と予想していたが、その後3度にわたって通期の業績予想を上方修正。予想営業利益は570億円にまで上振れし、上方修正率は1040.0%にまで及んだ。

 日本郵船が発表した上方修正の理由は3回ともほぼ同じだ。

 定期船事業では「想定以上の積高による需給改善によりスポット運賃水準が堅調に推移」したことで想定を上回って収支が改善した。一方、航空運送事業では、新型コロナウイルス感染拡大の影響で国際旅客便が相次いで運休・減便されたことによって、貨物輸送スペースの供給も急減。それに伴って「需給の引き締まりにより高い運賃水準が継続し収支が良化」したという。

2位はLIXIL
希望退職の応募者が少なく費用減

 営業利益上方修正率ランキングの2位には、水回り製品やインテリアなどの住宅設備、建材などを扱うLIXILがランクインした。

 LIXILはコロナ禍の影響を見極めることが困難であるとして、当初は20年度通期の業績予想の公表を見合わせていた。そして、今回のランキングで扱う営業利益の予想値を出したのは20年10月末となった。

 そのときには20年度通期の営業利益を70億円と予想していたが、21年2月に345億円へ上方修正。修正率は392.9%に達した。

 LIXILは上方修正の理由として、収益面と費用面の両面を挙げている。

 収益面では、「国内新築市場の回復が想定以上に進んだこと、そして海外でも、とりわけ欧州地域において想定以上に売上が伸長した」ことと、成約率向上によって「国内リフォーム向け売上を想定以上に伸長」させ、利益率を改善したことが効いたという。

 一方、費用面ではマーケティング・営業活動のデジタル化によって、販売管理費の削減が想定以上に進捗しているようだ。さらに、21年1月に実施した希望退職プログラムに伴う費用が当初の見込みよりも減少する見通しになった点も理由の一つとして挙げられている。募集人員1200人に対して応募者が965人にとどまったためだ。

3位はトヨタ自動車
営業利益は異次元の2兆円

 3位には、日本を代表する自動車メーカーであるトヨタ自動車が名を連ねた。

 期初には20年度通期の営業利益を5000億円と予想。今まで見てきた日本郵船とLIXILの上方修正後の営業利益と比べてもこの時点でケタが一つ違うが、トヨタはこれに2度の上方修正を加えて2兆円の大台に乗せた。他のランキング上位企業と比べても異次元の領域だ。上方修正率は300.0%となった。

 上方修正の理由は、自動車の販売計画の上方修正が大きい。期初には、子会社であるダイハツ工業や日野自動車を含めたグループ総販売台数を890万台と想定していたが、これを973万台にまで引き上げている。

 なお、今回のランキングの完全版では、11位以下も含めた全110社それぞれの「営業利益上方修正率・予想営業増益率・予想営業利益」を掲載している。ぜひ確認してみてほしい。

Key Visual by Kanako Onda

【訂正】記事初出時より以下の通り訂正いたします。
8段落目、17段落目:日本郵政→日本郵船
(2021年3月24日8:41 ダイヤモンド編集部)
>>営業利益の上方修正率が大きい企業ランキング「全110社」掲載の完全版はこちら