Photo:Koji Watanabe/gettyimages

日韓両国代表によるサッカーの国際親善試合が、3月25日に日産スタジアムで開催された。緊急事態宣言こそ解除されたものの、コロナ禍で外国人の新規入国が停止され、日本人を含めたすべての入国者に2週間の自主待機が求められている状況下で、さまざまな批判を受けながらもサッカー界だけ特例が認められたのはなぜなのか。開幕まで4カ月を切った東京五輪にも通じる背景を追った。(ノンフィクションライター 藤江直人)

日本サッカー協会がチャーター機で帰国させた理由

 25日の韓国代表戦を、3-0の快勝で終えた直後のオンライン会見で、日本代表のキャプテンを務めるDF吉田麻也(サンプドリア)は笑顔で言葉を紡いだ。

「試合が終わってこんなにホッとするのは、本当に久しぶりですね」

 試合前日には「これで結果を出せなかったら男じゃない」と吉田は言い切っていた。32歳のベテランを奮い立たせた「これ」とは何なのか。答えはオンライン会見で明かされた。

「チャーター機で帰ってきたこともあって、正直、プレッシャーがいつも以上にありました」

 実は吉田は、日本時間の21日(日)深夜にサンプドリアの試合に出場していたため、通常の航空便を利用すれば帰国は23日(火)となり、その場合は韓国戦には出場できなかった。そこで、日本サッカー協会(JFA)が手配したチャーター機で、22日(月)の深夜に吉田は羽田空港に降り立った。同乗していたMF守田英正(サンタ・クララ)とともに先発に名前を連ねたというわけだ。

 月曜日の帰国と火曜日のそれとでは、何が違うのか。それはコロナ禍に対応して、JFAが関係各所と調整した結果、出来上がった「特例」に理由がある。