ビッグマック指数とかコカ・コーラ指数といった物価を測るモノサシがありますが、日本で缶コーラ1本が買えるお金を両替して、ベトナムでもちょうど1本買えるように為替レートが調整されているなら、世界中どこにいても差がつきません。

 しかし、実際には、モノの値段を基準に為替が決まるわけではないのです。

 とにかく日本円という強い通貨で収入を得て、かつ、為替水準の弱い地域で暮らすことから、生活レベルをあまり変えず、月5万円で暮らすという恩恵を受けることができるのです。

 逆に言うと、この恩恵を受けるには、生活の場所と収入を得る場所が分離していなければなりません。

遠隔管理の仕組みを作って、
労力のかからない収入を得る

 もう一つのポイントは、管理会社さんの力を借りて、賃貸経営を仕組み化することです。

 賃貸経営では、住居のメンテナンス、家賃の徴収、クレーム対応などの管理業務のほかに、空室が出れば精算処理をして、部屋をリフォームし、入居募集を行います。

 よく家賃収入は不労所得と言われますが、「不労」というわけではありません。実際には、さまざまな業務が発生します。

 ただし、それらの業務をすべて自分で行うとは限らないという点が、不労所得と言われるゆえんです。日々の作業はできるだけ業務委託をし、突発的な問題が発生したときは管理会社さんに相談すればいいわけです。

 幸いにも、日本の賃貸経営の世界では、不動産の管理会社さんがたくさんあり、業務として確立していますから、業務を委託することはそう難しくありません。そこで、月次で定期的に発生する作業をルーチン化してしまうのです。

 いったん作業が確立してしまえば、自分の時間と労力を多く投入するという状態から抜け出せます。

 自分の時間を使うのではなく、人の時間を使う。これがOPT(Other People’s Time)のレバレッジと言われるものです。