「みんな自分と同じレベル」症の処方箋

 このタイプのリーダーは、常に高い熱量で仕事に取り組み、これまでは成果を上げてきたのでしょう。「出世は働く量で決まる」という考えで、常に動き続けています。スピード感がありますが、それについてこられないメンバーを「やる気が足りない」と評価し、距離をとってしまうこともあるのではないでしょうか。「同期に遅れをとりたくない」というプレッシャーや失敗への恐れがあるのかもしれません。

〈伸ばしたいEQ能力〉
 メンバーとの関係をつくるアサーティブコミュニケーション

〈EQ能力を磨くヒント〉
・短期目標の達成だけでなく、中長期的な視点で目的やゴールを意識する

・人間関係の質を高めることからチームづくりをスタートし、メンバーとのアサーティブコミュニケーションを実践する

・リーダーが自分の内面と向き合い、「ノーブルゴール」を追求する

 勝手にメンバーのモチベーションも「自分と同じレベルだろう」と思い込んでいるリーダーも多いようです。当然ですが、メンバーとあなたは別の人間です。仕事に向かうモチベーションも仕事に込める思いも、そして日々の気分も異なります。そのことを、冷静に理解できているリーダーがどれくらいいるでしょうか。『感情マネジメント 自分とチームの「気持ち」を知り最高の成果を生みだす』では、今回挙げたケース以外にも、リーダーがおかしがちな「感情」の失敗とその対処方法をまとめています。

(紹介したストーリーは実際にあった複数のエピソードに基づいたフィクションです)