――投資家向けコラム「ハード・オン・ザ・ストリート」 ***  危機に見舞われた株式は、ひとたび損失の全容が明らかになれば反発を狙える銘柄になる。スイスの金融大手クレディ・スイスはトマス・ゴットシュタイン最高経営責任者(CEO)が全力を尽くしているにもかかわらず、まだそこまで至っていない。  クレディは6日、ファミリーオフィス(個人資産の運用組織)の米アルケゴスの崩壊に絡むコストが44億スイスフラン(約5200億円)に上るとの見方を示した。ゴットシュタイン氏は減配や自社株買いの停止を打ち出し、投資銀、リスク・コンプライアンスの各部門に新トップを任命した。