「うまくやろう」としすぎない

ママも20代、30代がいちばん無気力だった。
何ひとつ思いどおりにならなくて。

ある日、思ったの。
私は焦りすぎて、うまくやらなきゃという気持ちにとらわれて
すごく多くのことを一気に解決しようとしていたんだ。
たくさんのことを成し遂げなきゃいけないと
思っていたんだな、って。

足りないものが多いから、
早く何かを成し遂げなければならないと思って、
自分が考えられること以上に、
自分が努力できること以上に
はるかに多くのことを考えて努力することになる。
そして、すぐに疲れてしまうの。

「心地よいスピード」で生きていこう

目標を減らして、うまくやろうと思わずに肩の力を抜いたら、
できることが見えるようになってきたわ。

自分ができるぶんだけ
1つずつ挑戦して成し遂げていった。
焦らないようにしたら、
自分に合ったスピードが見えてきたの。

誰もあなたを責めたりしないよ。
だから自分をとがめることのないようにしてほしい。

自分を厳しく責めてしまったら、
心が疲れて、目標に達する前に
投げ出してしまうかもしれない。
そうしたらもっと大きな後悔をすることになる。
ベストを尽くせないから。

1等賞じゃなくていい。
2等賞じゃなくてもいい。

自分のスピードを見つけてほしい。
やる気が出ないなら、
今はちょっとスピードを落とせばいいの。

心配しすぎたり、不安になったりしなくていい。
今日は無気力でも大丈夫。

好きな音楽に浸って
軽いお酒に酔って
これからのことをゆっくり計画してみるのもいいと思うわよ。

(本原稿は、クルベウ著 藤田麗子訳『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』から一部抜粋・改変したものです)

【著者】クルベウ
1988年生まれ。詩人、作家。本名キム・ドンヒョク。事業に失敗し、自分のためにSNSに投稿していた癒やしの言葉が多くの読者の共感を集め、SNSの投稿をまとめた著書『心配しないで』で作家デビュー。処女作はBTSのファン感謝イベントで紹介され、ファンの間で「BTSおすすめの作家」として話題となる。
作家としてデビューしてわずか1年で大手企業から講演の依頼が殺到し、年100回以上の大規模講演を行う。2017年からはリュックを背負い、韓国全土を回って人々の悩みを聴く「セボム・プロジェクト」を実施している。
韓国では本書のほかに、20万部を超えるベストセラーとなった『疲れたり、好きなことがなかったり』や『何でもない今はない』『他人の目を意識して苦しい私に』『今日ほど私が嫌になった日はない』などの著書がある。『大丈夫じゃないのに大丈夫なふりをした』は著者初の日本語翻訳本。Instagramのフォロワーは23万人(2021年3月現在)、著書累計55万部。