「株式投資で資産1億円築く」という目標
離婚して父子家庭になったものの、勉強する時間がたっぷりとれるようになったことは、株式投資にとっては良かった。
社会人1年目の頃からの投資は無節操で行き当たりばったり。
とても褒められた投資とは言えなかった。
9・11直前のように、何も考えないで資金全額を株にぶち込むような真似をしていたのは、『会社四季報』をたまにめくるくらいで、有価証券報告書もめったに読まず、勉強不足だったから。
何を買えばいいのか見当がつかなかったので、その場の勘で銘柄を選んでいたのだ。
いまや有価証券報告書や決算短信などのIR情報は企業のウェブサイトや、金融庁のデータベース『EDINET』(https://disclosure.edinet-fsa.go.jp/)で手軽に読める。
父子家庭となり、定時にダッシュで退社する生活が定着してからは、子どもが寝入った後、株式を勉強する時間がとれるようになった。
そこで、定時までに終わらなかった仕事を片づけたら、株式投資関連の本や情報サイトを読むようにした。
2000年以降は、株式投資に必要な企業の情報がネット上で徐々に得られるようになっていた。
有価証券報告書を全ページ熟読するような勉強まではしなくても、本やネットで得られる情報で最低限の勉強をするのはやはり不可欠だ。
新たな気持ちで株式投資に向き合うようになって、「株式投資で資産1億円築く」という大きな目標を掲げることにした。
なぜ1億円だったのか。
それは息子と自分を捨てて離れていった前妻を見返してやりたいという気持ちがあったことは否めない。
資産1億円を築いたところで、その事実を伝えるつもりはなかったものの、心のなかで「どうだ!」と勝ち誇れたらいいと思ったのだ。
ちなみに前妻は、自分が2億円以上の資産を築いている事実をいまも知らない。
さて、株式投資で資産1億円を築くため、まずは「軍資金1000万円を貯める」と決めた。
息子よ、これがどん底サラリーマンの反撃の狼煙だったのだ。