妻の浮気が原因で離婚。突如、5歳の息子との父子家庭になった。手元に残された全財産は90万円。定時退社で保育園へ息子を迎えに行く毎日で、残業代ゼロ。年収400万円で、カツカツの生活だった。ギリギリの節約生活で、4年で1000万円を貯め、本格的に株式投資を開始。紆余曲折を経ながらも某企業の大株主になり、資産2億円以上を築いた。いまや成長し、就職した息子とふたりで焼鳥屋に行ったとき、これまでの半生を振り返り、「投資家」と「労働者」の話をした。
「サラリーだけで生きられる時代は終わった」
「億の資産をつくるにはお金に働いてもらうことだ」
「リスクをとらないと得られるものはないぞ」
離婚して父子家庭になり、全財産90万円から資産2億円以上を築いた父親が、投資術を初公開。いま息子へお金と投資の話を教える『どん底サラリーマンが株式投資で２億円』。

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息子の証券口座に
振り込んだ「80万円」の意味

【前回】からの続き。

焼鳥屋で会話を交わしてから1年後、息子は地元の電力関連の会社に就職した。

就職の記念に、自分は息子の名義で開いた証券口座に80万円を振り込んだ。

「これを好きに使って株式投資を始めなさい」という気持ちを込めたお祝いだった。

なぜ切りのいい100万円ではなく80万円なのか。

それはいまから30年ほど前、株式投資を始めたばかりの自分に、母親が贈ってくれた金額が80万円だったからだ。

母は家計を支えるため、学校の給食のおばちゃんとして長年働いていた。

そこでコツコツ貯めていたお金を入れた預金通帳と印鑑を、「好きに使っていいよ」と渡してくれたのだった。

「株を買うのなら、買いな。かあちゃんは、株も経済もわからんから、なんも教えられん。あんたの勉強代やよ」と言ってくれた。

実家は、祖母の分も含めて2軒分、数千万円の住宅ローンを抱えていた。

だから、当時の80万円は大きな金額だったはず。

ありがたくちょうだいして倍返しするつもりだったが、直後のバブル崩壊に巻き込まれて80万円は、ほぼゼロになってしまった。

この80万円で学んだことはたくさんあった。

だから、80万円がゼロになってもいいから、息子にも多くを学んでもらいたかったのだ。

これから、三流大学卒、バツイチ、父子家庭、35歳、全財産90万円という、どん底の状態から株式投資で資産2億円以上を築いたごく普通のサラリーマンの自分が、いま息子に教えたいお金と投資の話をする。

息子のみならず、1人でも多くの方々が、労働者として時間と体力を切り売りするだけでなく、投資家として豊かな将来を地力で切り拓く参考になれば、この上なく幸いだ。