本の要約サービスが隆盛の兆しを見せている。ある国内要約サービスでは会員が75万人を超えている。本と読者とのミスマッチをなくすためのサービスで、特にビジネス書の要約が人気らしいが、同サービスは出版不況を打開することができるのか。人気の理由をNPO法人HON.jp理事長の鷹野凌氏に聞いた。(清談社 沼澤典史)
要約サービスは
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コロナ禍にあって、さまざまなサービスが昨年から、予期せぬ人気を博している。そのなかでも顕著な伸びを示しているのが書籍の要約サービスだ。現在の要約サービスは、ビジネス書や教養書などの内容が数千字に要約され、スマホやパソコン上で10分程度で読めるものが多い。
国内では「フライヤー」「セレンディップ」「ブック・スマート」「トップポイント」などの要約サービスが存在し、ユーザーみずから興味のある書籍を選択するものもあれば、定期的に数冊の要約を配信してくれるサービスもある。
なかでもフライヤーの人気は高く、昨年12月の会員数は法人と個人を合わせて75万人に上る。これは前年比の1.5倍の数字だという。
これらの要約サービスについて鷹野氏は次のように語る。