東南アジアは、ブランクチェックカンパニー(白地小切手会社)が関わる過去最大の合併で投資家の注目をつかみ(grab)そうだ。割高な米国や北東アジアのIT(情報技術)銘柄以外にも投資先を多様化したいと考えているグロース株投資家には願ってもない好機だろう。シンガポールの配車サービス大手グラブ・ホールディングスは13日、特別買収目的会社(SPAC)アルティメーター・グロースとの合併を通じて、米ナスダックに上場すると表明した。グラブの評価額は400億ドル(約4兆3560億円)近い。これにより、グラブの評価額はわずか1年半で2倍以上に達することになる。アルティメーターの株価は13日、10%上昇した。このことは、2019年からグラブに出資しているソフトバンクグループが新たに大金をつかむことを意味している。そのほか、米同業ウーバー・テクノロジーズや中国同業の滴滴出行(ディディチューシン)も出資している。ウーバーは2018年、グラブに東南アジア事業を売却した。