新型コロナウイルス感染者が日本各地で再び増加する中、東京オリンピック・パラリンピック競技大会(東京2020)に向けて最終段階に入った準備イベントは、変更を余儀なくされている。開幕まで4カ月を切った東京五輪を予定通り実施することに日本国民はおおむね反対の立場だ。五輪開催に反対する活動家いちむらみさこ氏(49)は、この状況に手応えを感じてもおかしくない。だが実際は大会関係者と同じように、結果を出すことへの圧力を実感している。次の夏季五輪への反対運動を行う「パリの人たちからプレッシャーが来ている」と彼女は話す。「(日本の現状を考えると)今なぜ止められないのかと」反オリンピック運動としては異例のシナリオだ。独裁国以外で開催される大会では、多額の費用や汚職、地域社会や環境への影響といった問題を巡り、必ずと言っていいほど抗議運動が起きる。それでもオリンピックは着々と進められてきた。