こんな起源説はいかがだろう。ハリウッド新進気鋭のスターの始まりは、デジタル資産のNFT(非代替性トークン)だった――。宇宙飛行士になることを夢見る黒人の男の子Akuは、アーティストのマイカ・ジョンソン氏が2月に創作したNFTキャラクターで、1日のうちに200万ドル以上のトークンが売れた。今やAkuはスクリーンに進出しようとしている。制作で手を組んだのは、米アノニマス・コンテントとパーマネント・コンテント。パーマネントは歌手ショーン・メンデス氏が設立した映画・テレビ制作会社だ。NFTキャラクターをめぐりハリウッド企業が映画・テレビ契約を結んだのはこれが初とみられる。アノニマスとパーマネントが提携に乗り出した狙いは、アートと商業の世界を既に根底から覆しているデジタル資産をもとに、映画や番組を制作することにある。契約条件は公表されていないが、ますます複雑に絡み合うNFTとアート、エンターテインメントの世界で、象徴的な壁が打ち破られたことを示す動きとなる。