プルデンシャル生命保険で「前人未到」の圧倒的な業績を残した「伝説の営業マン」である金沢景敏さん。営業マンになった当初はたいへん苦労しましたが、あることをきっかけに「売ろう」とするのをやめた結果、自然にお客様から次々と「あなたからサービスを買いたい」と連絡が入るようになりました。どうすれば、そのような営業スタイルを作り上げることができるのか? 本連載では、金沢さんの初著作『超★営業思考』を抜粋しながら、その「秘密」をお伝えしてまいります。

“初対面の人”とすぐに打ち解ける人は、「面」で話して「点」を探している。写真はイメージです。 Photo: Adobe Stock

「初回の面会」に向かう前に、
絶対にやっておくべきこと

 お客様と初めて会うときに何をするか?

 これは、営業マンにとっては極めて重要な問題です。第一印象の良し悪しは、お客様との関係性を大きく左右しますから、細心の注意を払う必要があるのは当然のことでしょう。

 最初の面会に向かうときに、僕が必ずしていたことがあります。

 それは、面会の目的の再確認です。「保険を売ろう」とするのではなく、「信頼という資産」を築くことが目的なんだ、と毎回確認するようにしていました(「商品を売ろうとしない」理由については、連載第15回参照)。

 もっと言えば、「保険の話をできなくてもいい」と言い聞かせていました。初対面なんだから、まずは、僕という人間を受け入れてもらうことが大事。今回は保険の話ができなくても、次のアポイントをいただけるような関係性を築けばいい。最悪、保険に入る気が0%の方の場合には、今回限りでもいい、と。

 僕は小心者だから、毎回毎回それを確認しなければ、どうしても「売りたい」という思いがにじみ出てしまうような気がしてなりませんでした。これが、わずかでも伝わってしまった瞬間に、お客様の気持ちはスーッと離れていってしまいます。「売りたい」と思うのは、営業マンの”職業病”みたいなものですから、念には念を入れて、自分の気持ちを整理するようにしていたのです。

 そして、僕は、面会前にしょっちゅう妻に電話をしていました。

 営業とは、「否定」されることの連続であり、「否定」されると心理的に大きなダメージを受けます。正直に言うと、お客様と会うのは「怖い」んです。その「恐怖心」をもったままでいると、お客様にも妙な緊張感を与えてしまいかねません。

 だから、僕に対して絶対に否定的なことを言わず、「頑張ってね」と言ってくれる存在である妻の声を聞くようにしていました。当初は、毎日、最低でも10回くらいは妻に電話をしていたように思います。

「大の大人が、何を甘えてるのか?」と言う人もいるかもしれませんが、甘えさせてくれる相手がいるならば、甘えさせてもらったほうがいいと、僕は思っています。「結果」を出すためにプラスになることは、できる限りやったほうがいいに決まっているからです。

“初対面の人”とすぐに打ち解ける人は、「面」で話して「点」を探している。金沢景敏(かなざわ・あきとし)
元プルデンシャル生命保険ライフプランナー AthReebo(アスリーボ)株式会社 代表取締役
入社1年目にして、プルデンシャル生命保険の国内営業社員約3200人中の1位(個人保険部門)になったのみならず、日本の生命保険募集人登録者、約120万人の中で毎年60人前後しか認定されない「Top of the Table(TOT)」に3年目で到達。最終的には、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な実績を残した。
1979年大阪府出身。東大寺学園高校では野球部に所属し、卒業後は浪人生活を経て、早稲田大学理工学部に入学。実家が営んでいた事業の倒産を機に、学費の負担を減らすため早稲田大学を中退し、京都大学への再受験を決意。2ヵ月の猛烈な受験勉強を経て京都大学工学部に再入学。京都大学ではアメリカンフットボール部で活躍した。
大学卒業後、2005年にTBS入社。スポーツ番組のディレクターや編成などを担当したが、テレビ局の看板で「自分がエラくなった」と勘違いしている自分自身に疑問を感じて、2012年に退職。完全歩合制の世界で自分を試すべく、プルデンシャル生命保険に転職した。当初は、アポを入れようとしても拒否されたり、軽んじられるなどの“洗礼”を受けたほか、知人に無理やり売りつけようとして、人間関係を傷つけてしまうなどの苦渋も味わう。思うように成績を上げられず苦戦を強いられるなか、一冊の本との出会いから、「売ろうとするから、売れない」ことに気づき、営業スタイルを一変させる。
そして、1年目にして個人保険部門で日本一。また3年目には、卓越した生命保険・金融プロフェッショナル組織MDRT(Million Dollar Round Table)の6倍基準である「Top of the Table(TOT)」に到達。最終的には、自ら営業をすることなく「あなたから買いたい」と言われる営業スタイルを確立し、TOT基準の4倍の成績をあげ、個人の営業マンとして伝説的な業績をあげた。
2020年10月、プルデンシャル生命保険を退職。人生トータルでアスリートの生涯価値を最大化し、新たな価値と収益を創出するAthReebo(アスリーボ)株式会社を起業した。著書に『超★営業思考』(ダイヤモンド社)。