バイデン政権の圧力は
韓国企業にも波及

 日米首脳会談では外交・安全保障はもちろん技術関連の政策や気候変動、コロナ対策などあらゆる分野で両国の協力関係が深まった。

 日米共同声明には、「第5世代無線ネットワーク(5G)の安全性及び開放性へのコミットメントを確認し、信頼に足る事業者に依拠することの重要性で一致した」「日米両国はまた、両国の安全及び繁栄に不可欠な重要技術を育成保護しつつ、半導体を含む機微なサプライチェーンについても連携する」と明記した。

 米中が対立する中、韓国は対中経済関係に配慮した戦略的あいまい姿勢が許されなくなってきた。バイデン政権の圧力は韓国政府ばかりでなく韓国企業にも及んでいる。

 バイデン政権は12日、サムスン電子など世界の主要半導体関連企業をホワイトハウスに呼び集めた。この席でバイデン大統領は国籍に関係なく「半導体価値同盟」を構築して中国をけん制すべきだと強調するとともに米国への半導体投資を増やしてほしいと要請した。中国が半導体サプライチェーンを再整備し、米国をはじめとする世界への攻撃を準備していることに対抗するためである。

 これを受けサムスン電子は頭を悩ませているという。サムスンの半導体事業の売上高全体に占める割合は米国と中国がともに20%を占めているからである。一方、この日招待された台湾の半導体大手のTSMCは、中国の顧客との取引を中断すると明らかにした。

 この件に関し、中央日報は、陳大済(チン・デジェ)元情報通信部長官のコメントを報じている。同元長官は「悩む必要はなく、米国にうなずく返事をし、米国との同盟関係を強化しなければいけない」と指摘する。同時に同元長官は「現在の状況は、韓国半導体企業の対応を超えて、国家が方向性を定めなければならない時だ。米国との同盟関係が重要なのか、中国との戦略的協力関係が重要なのか決めなければならない」と述べ、文政権の覚悟と戦略的思考を求めている。

 同元長官はその根拠として、韓国は「米中の間でうまく綱渡りを繰り返してきたが、もう限界に達したようだ」「経済的に困難があるからといって中国と手を握れば、中国の属国になるかもしれない。米国に背を向けて中国と手を握るからといって、中国政府が限韓令(韓流制限令)のような制裁を解除するだろうか」「中国は北朝鮮と血盟関係だ。中国が韓国を助けるとは思わない」「中国と一対一で対立した国を見ればすべて苦しんでいる。中国との関係は、半導体が必要なら韓国から買えばいいと、その程度でいい」と述べている。

 筆者も全く同感である。