文大統領Photo:Handout/gettyimages

ソウル、釜山市長選で大敗
南北関係改善で中国へ接近?

 来年の大統領選を占うということで注目されたソウル、釜山の両市長選は、文在寅政権と与党には衝撃的な敗戦だった。

 ソウルでは、野党「国民の力」の呉世勲(オ・セフン)候補(60)が約280万票(得票率57.5%)を獲得し、約191万票(同39.18%)の与党「共に民主党」の朴映宣(パク・ヨンソン)候補(61)に圧勝した。釜山市長選も、野党候補が与党候補にダブルスコアに近い票差で勝利した。

 夏以降、与野党で「次期大統領」候補の人選を進める動きが本格化するなかで、残り1年、文大統領の求心力は落ち、レームダック化は避けられない。

 それでも、政権の「最後のわがまま」として北朝鮮との関係改善だけにはこだわり続けるだろう。その「切り札」として、予想されているのが中国への急接近だ。

 だが東アジアの安全保障のバランスを大きく崩しかねないリスクが懸念される。