新型コロナウイルスワクチンの接種で先行するイスラエル、英国、チリの3カ国は、これから経済活動を正常化していく米国にとって重要な教訓をもたらしている。人口のかなりの割合が接種を済ませても、感染リスクはなお残るという点だ。3カ国はこれまで対照的な歩みを見せている。イスラエルは経済を再開し、コロナ病棟の閉鎖に着手した。チリは再びロックダウン(都市封鎖)や国境封鎖を余儀なくされる一方、英国は向こう数カ月間で段階的に再開する方針だ。疫病学者らは、感染の「エグジットウエーブ(出口波)」リスクは残ると指摘する。ワクチンの予防効果は100%ではないため、市民の警戒が薄れることで感染が再び拡大する恐れがあるという。また、ワクチンや過去の感染から得られた免疫をすり抜ける可能性がある変異株も、こうしたリスクをさらに高める。
ワクチン先行組の教訓、接種後もリスク
イスラエル・英国・チリ、異なる状況
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