新車を探し求めている人に朗報がある。マイクロチップ業界は目下の深刻な供給不足を解消するべく、予想以上の速さで奮起している。米インテルや台湾積体電路製造(TSMC)などへの半導体製造装置販売でアプライド・マテリアルズと競合するオランダのASMLは21日、2020年通期の成長予想を倍余りに引き上げ、22年へ向け生産能力を増強すると述べた。これは自社製品の製造に半導体を必要とする企業や、製品の到着を待つ消費者に安心感をもたらす動きだ。ASML株はこの日の取引で6%余り急伸した。ASMLは時価総額2570億ドル(約27兆7200億円)と、欧州最大のハイテク企業に成長している。これに比べ、アプライド・マテリアルズは売上高でやや勝るにもかかわらず、時価総額はわずか1180億ドルにとどまる。その理由の一つは、ASMLが極端紫外線(EUV)リソグラフィと呼ばれる最先端の半導体製造技術で独占状態に近い地位にあることだ。インテルのパット・ゲルシンガー新最高経営責任者(CEO)は先月、EUVを早期に導入しなかったのは誤りだったと述べた。