1年間で全国民(あるいは8割以上)への接種は完了しそうにもない。その原因とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

4月12日から、高齢者向け新型コロナウイルスワクチン(以降ワクチン)の接種が始まった。4月から5月中旬の間に配布されるワクチンは3600万人いる高齢者の内の約9%にすぎず、本格的な接種が始まるのは、5月10日以降になる。同時期に全国一斉にワクチンを接種させるのは、国や地方自治体にとって世紀の大事業である。だが、医療従事者の人手不足などにより、計画通りに進まない可能性が高い。(消費者問題研究所代表 垣田達哉)

医師よりも深刻な
看護師不足

 厚生労働省は、労働者派遣法の政令を改正し、今月から過疎地域に限って看護師の派遣を認めた。さらに全国知事会は、政府に対し「過疎地域以外も派遣を可能にするように」という緊急提言を行っている。

 どうして急に看護師の派遣を自由にしなければならないかというと、それは「新型コロナウイルスワクチン(以降ワクチン)の接種会場での看護師が不足している」からである。

 厚労省は、開設される予定の全国の4万カ所以上のワクチン接種会場で、人員が充足しているかどうかを調査している(3月25日時点)。その結果、集団接種会場も個別接種会場も、充足していると回答したのは、半分にも満たなかったのだ。