台湾周辺で中国軍の活動が活発化し、中国政府の意図を米国が懸念する中で、中国による侵攻を抑止する上での台湾の防衛力が新たな焦点となりつつある。中国は台湾を自国の一部だと主張しているが、自治を行う台湾の奪取に向け、中国政府が近く行動を起こす兆候はない。しかし、米当局者らは、特に中国による香港の民主派弾圧を受けて、中台衝突の可能性が高まっているとみている。中国が強権を行使しても国際的に大きな反発がないことを、香港での弾圧が示してしまったからだ。米当局者と台湾軍の元幹部、安全保障専門家らは、こうした状況から見て、台湾は侵略を抑止するため相手に十分な打撃を与え得る能力の確保に向けた取り組みを強化する必要があると考えている。それは、援軍が来るまで持ちこたえるのに十分な能力と言うこともできる。その援軍を送るのは米国かもしれない。米国防総省のデータによれば、何年にもわたって国防費を拡大してきた中国は今や、台湾の約100倍の陸上兵力を擁している。中国の国防予算は台湾の25倍だ。