福祉からビジネスへ
自分から始まる小さな「革命」

 朝霧さんはもともと、執筆や音楽活動を仕事として考え、真剣に取り組んできた。しかし、音楽活動で報酬を受け取ることは少なかった。

「福祉業界は全体的に資金力が強くなく、仕事として成立する謝礼をいただけることは少ないです。障害者の才能を生かした事業は、仕事として成り立たせるのが非常に難しいと思います」(朝霧さん)

 福祉の世界にいた朝霧さんを変えたのは、2020年、女性起業家たちとの交流が始まったことだった。

「サポートミュージシャンや音響さん、支えてくださる方々に、謝礼や交通費をお支払いしたいです。オンラインコンサートなら、良い通信条件で行いたいです。そう考えるうちに、『私が、お金と向き合わなくては』と気づきました」(朝霧さん)

 朝霧さんは、コンサートを無料ではなく有料で配信したり、講演を依頼されたときに報酬を相談したりする取り組みを始めた。

「小さいところから、1つずつ……『少し結果が出せた月もある』というところです」(朝霧さん)

 朝霧さんのご厚意で、昨年度からの月々の就労収入の情報をご提供いただいた。それをグラフ化すると、以下のようになる。

生活保護から脱却したい「車椅子の歌姫」が闘う、貧困の罠