「男なら個別株で勝負してみろ」
「株式投資をやってみたい」と相談を持ちかけたのは、父方の祖父でした。
私の父親も株はちょこちょこやっていたようですが、祖父はかなり以前から株式投資に触れていた経験者でした。
すると祖父は「株式を買うには、まずは証券会社に口座を開かなくてはならない」と教えてくれました。
中学生ですから、そういう知識すらなかったのです。
好都合にも、祖母が営む喫茶店の近くに地場の小さな証券会社があり、そこの社員たちがランチを食べにきたり、忙しい時期にはオフィスで出前を取ったりしていました。
そこで顔なじみになっていた社員の1人に頼んで、私は証券口座を開きました。
これが私の株式投資の記念すべき第一歩です。
口座を開いて虎の子の40万円を入れたところで、祖父から「ところで、お前はどこの株を買うつもりなんだ」と聞かれました。
素直に「投資信託を買おうと思っている」と答えたら、祖父は首を大きく横に振って、こう言い放ちました。
「いいか。投資信託というのは、証券会社が手数料を稼ぐためにやっているようなものだ。
お前も男なら、“これだ!”という銘柄を自分で見つけて勝負してみたらどうだ」