「就職したことがないのに4億円貯めちゃった!」――かぶ1000
初の著書『貯金40万円が株式投資で4億円』を上梓した株式投資歴30年以上のベテラン個人投資家、Twitterでも人気の、かぶ1000さん。中学時代から体育のジャージ姿で、地元の証券会社に通い詰めていた。年寄りの投資家たちにかわいがられ、バブル紳士には金儲けのイロハを教えてもらった。中学3年で300万円、高校1年で1000万円、高校2年で1500万円へと株式資産を増やす。
会計系の専門学校卒業後、証券会社からの就職の誘いを断って専業投資家の道へ。時価総額に比べて正味の流動純資産が著しく多い「ネットネット株」や、豊富な不動産含み益などを持つ「資産バリュー株」への投資を得意とする理論派として、資産を安定的に増やしてきた。
2011年に1億円プレーヤーの仲間入りを果たすと、その後も順調に資産を増やし、2015年に3億円、2019年に累計利益4億円を突破。中学2年から株ひと筋、アルバイト経験さえない根っからの投資家が、保有株全体を1つの会社に見立てる考え方や銘柄との付き合い方など、投資初心者にも役立つ投資法を全公開!(こちらは2021年1月12日付け記事を再掲載したものです)

就職したことがないのに<br />4億円貯めた投資家が<br />「最初に買った株とは?」Photo: Adobe Stock

任天堂を買いたいけれど……

「自分で考えなさい」と言われて、私は大きな宿題を祖父から与えられた気分になりました。

そして「徹底的に調べて、儲かる銘柄を見つけるぞ!」と意気込みました。

とはいえ、当時はまだ『会社四季報』(東洋経済新報社)の存在すら知りませんでした。

新聞を読んで得た知識と自分の脳味噌だけが頼り。

私は考えに考えた末に、これからの日本と世界で必要とされる会社は成長するはずだから、その株を買おうと決めました。

そんな意気込みとは裏腹に、40万円という軍資金では買える株に限りがありました。

100株から買える現在とは違い、当時の売買単位は最低1000株。

なかには2000株、3000株でないと買えない銘柄もありました。

単元株よりも少ない単位で売買できる「ミニ株」の制度もありませんでした。

私は当時ファミコンが大好きだったので、これから伸びると信じた「任天堂」を買いたかったのですが、株価はすでに1株7000円の値をつけていました。

1000株でも700万円のお金が必要になりますから買うことができず、泣く泣く諦めました。

『スーパーマリオブラザーズ』『ドラゴンクエスト』といった大ヒットシリーズが続々と発売され、任天堂は京都という地方都市の「花札」の老舗メーカーから、世界的なゲームメーカーへと変貌を遂げる過渡期だったのです。