新型コロナウイルス流行の中で決算発表が続く今、投資家が心配の種に事欠くことはなさそうだ。新たな変異ウイルスが出現して市場が打ちのめされはしないか? ある大手企業の悲観的な業績見通しで好業績への期待感が吹き飛ばされはしないだろうか?おそらくそんなことは起きないだろう。だが、ジャネット・イエレン米財務長官が何気なく放った一言で、投資家心理を動かしている最大の要因が何であるかが浮き彫りになった。イエレン氏は4日、米誌アトランティック主催のイベントでバイデン政権の財政支出計画に言及し、「追加支出は経済規模に比べれば小さいとはいえ、経済が過熱するのを防ぐには、金利をいくらか引き上げる必要が出てくるかもしれない」と語った。その発言は、おそらく完全雇用に近づいているとみられる何年か先まで見据えた、バイデン政権の長期的な支出計画を念頭に置いたものだった。