これまで活況を呈してきた中国版ナスダック「科創板(スター・マーケット)」への上場の道のりが、一転して険しくなっている。スタートアップ企業の間では、本土以外での新規株式公開(IPO)に切り替える動きも出始めた。科創板は注目の中国テクノロジー企業の資金調達の場として、習近平国家主席の後押しで2019年に創設された。より迅速かつ市場原理に基づくIPO手続きや公開価格の決定を行うことで、多数の有力テク企業の上場をこれまで招致してきた。だが、中国の規制当局はここにきて、問題のあるIPO案件の取り締まりを全国的に強化している。また、馬雲(ジャック・マー)氏のアント・グループなど、巨大ハイテク企業への圧力も強めている。アントは昨年11月に科創板に上場する予定だったが、直前で停止に追い込まれた。現在は、アントのIPO計画がスピード承認を得た経緯を巡って調査が行われている。
中国版ナスダック失速、アント上場停止が影
上場の道のりが険しくなっている
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