草の根保守派運動「ティーパーティー(茶会派)」が台頭した2009年、共和党指導部はその支持者の機嫌をとりつつ、その情熱を吸い上げる一方で、運動自体をコントールできるとふんでいた。だが、その読みは外れた。それどころか、共和党指導部は手なずけようとしたその運動と、自分たちが有利になると考えた「草の根」の怒りにより、消耗仕切ってしまった。ティーパーティーの熱気は共和党の下院過半数奪還を実現し、ジョン・ベイナー氏を下院議長に押し上げた――だが、同氏は自ら乗じたこの運動を抑制できず、最終的には不満を募らせて議員を辞職した。ティーパーティー派の議員らを手なずける役割は、「ヤング・ガンズ」を目指した若き下院指導部3人に託された。ポール・ライアン、エリック・カンター、ケビン・マッカーシーの各氏だ。ライアン氏も下院議長を務めたが、最終的には不満を抱えて議会を離れた。カンター氏は党内予備選で、ティーパーティーの新星に敗れた。
トランプ派を手懐ける共和党、茶会派の苦い記憶も
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