米テスラが過去最高益を出したのに、株価がそれほど伸びない理由Photo:123RF

アメリカの天才実業家、イーロン・マスク。彼は電気自動車企業テスラの共同創設者であり、宇宙開発企業スペースXの創設者・CEOでもある。このテスラやスペースXは、これまでも世界を驚かせてきた。『世界で最もSDGsに熱心な実業家 イーロン・マスクの未来地図』の著者であり、経営コンサルタントの竹内一正氏が、テスラ、スペースX、そしてイーロン自身の今後を占う。

絶好調のテスラ

 テスラの4ドアセダン「モデル3」は、2020年世界で一番売れた電気自動車だった。

 モデル3は、3万5000ドルという手に届きやすい価格帯で、ポルシェと比肩する加速性と、400㎞を超える航続距離を実現した。車内インテリアは、シフトレバーもサイドブレーキレバーもハンドルの前のスピードメーターもなく、15インチのタッチパネルで操作をするシンプルなデザインで、これまでのクルマと違う未来感を醸し出している。

 モデル3は数多くの賞を獲得し、テスラの業績は絶好調だ。

 2020年のテスラの販売台数は約50万台になり、株価は1年間で約8倍に上昇、トヨタを抜いて時価総額世界一の自動車メーカーになった。

 そして、2021年第1四半期の純利益は4億3800万ドルで、創業以来の最高を記録し、納車台数は前年同期の2倍以上の約18万5000台だった。

 どれをとってもすばらしい数値だ。それなのに、株価はなぜか伸び悩んでいる。