中国の規制当局は先日、アリババに28億ドル(約3065億円)の罰金を科した。しかし、同社は実のところ、もっと大きな問題を抱えている。競合他社に対する優位の維持だ。アリババは1-3月期(第4四半期)の営業損益が12億ドルの赤字になったと明らかにした。その主因は、同四半期に科された非競争的行為に対する28億ドルの罰金だ。それを除けば、営業利益は前年同期比48%増だった。規制当局によると、アリババは出店者に同社のプラットフォームで独占販売し、ライバルのプラットフォームには出店しないよう強要する「二者択一」と呼ばれる行為を行ったとしている。昨年度はアリババにとって、規制面では、金融関連会社のアント・グループの新規株式公開(IPO)が頓挫するなど困難な年だった。しかし、ビジネス面では素晴らしい年となった。アリババの電子商取引(EC)とクラウド事業が新型コロナウイルス禍で恩恵を受けたためだ。第4四半期売上高は前年同期比64%増となった。これは昨年買収したスーパーマーケットチェーン、サンアートの影響もあるが、それを除いても40%増収だった。