『介護施設にだまされるな!』ダイヤモンド社刊 1000円(税込) B5並製120ページ |
介護は誰もが「不安」、向き合っている家族にとっては「地獄」
日本では年金、医療など、老後に対する不安が増大しています。介護についても同様です。ここのところの、施設の経営問題や低賃金による人材不足、悪質な施設など多くのニュース報道で不安感がさらに広がっています。
介護については、施設が不安ならばやはり自宅で……と考える人もいると思います。しかしながら現実は厳しく、実際に親の介護をしている40代以上の人のうち7割が「介護不安」を感じていて、介護する人の2分の1が何らかの形で「虐待をしたことがある」と回答しているそうです。
介護という現実と向き合っている人たちの2人に1人がこのように答えているという事実。現実は逃げる場のない介護地獄に追い込まれているのです。そう考えると、家庭での介護にこだわることが必ずしもよい結果を生むとは限りません。また、共働きの家庭では、誰が介護を行うのかという問題もあります。
想像以上にお金がかかる介護施設
そこで本書では、介護施設の探し方やかかる費用について、一冊にまとめました。安心して任せられる施設はどこか、評判のよい施設はどこか。また、施設を探す際に、どんな点に注意すればよいのか。実際に入居している人や家族の口コミ情報なども入れながら、わかりやすく説明しています。
この本を編集するにあたって感じたことは、想像以上に介護施設にはお金がかかるということです。本書で取り上げる施設は「有料老人ホーム」ですが、なぜほかの公的な施設ではなく有料老人ホームなのか、これには理由があります。
「高齢者の住まい」というと、漠然と「老人ホーム」をイメージする人が多いのではないでしょうか。実は、高齢者の方の住まいである、いわゆる介護施設は、その目的や種類によって老人ホーム以外にも「特別養護老人ホーム」や「グループホーム」などいくつかあり、かかる費用も異なります。