Eコマースと金融を柱に、通信、スポーツ、医療、そして一時は航空運送業にまで手を伸ばし、商いの領域にとどまらず、社会のインフラ部分をもカバーする楽天グループ。創業者・三木谷浩史氏の才覚と強運によって、創業から四半世紀足らずで足元の連結売上高が1兆4500億円を超える企業集団へと上り詰めた。
今から振り返れば、新型コロナウイルス禍直前の19年初秋あたりが同社にとっても、三木谷氏にとっても「頂点」であった。大手3社による実質的なカルテルにより、料金やサービスの本格競争が絶えて久しい国内携帯電話業界に殴り込みを掛けたと思いきや、返す刀で、「技術に一目ぼれした」(三木谷氏)と打ち明ける光免疫療法によるヘルスケア分野への進出を華々しく発表したからだ。本人も15年ぶり2回目となる「ベストドレッサー賞」に輝いた。
だが、好事魔多し。楽天グループとその統領は周知のように、各方面から目下、「フルボッコ」の批判を浴びている。