日本企業のサラリーマンにとって避けては通れない「人事異動」。しかし、中には違法ともいえる左遷が行われているケースもある。アウトな左遷とセーフな異動、どのように見極めればいいのだろうか。法的にアウトな左遷の特徴と違法な左遷が行われた際の対策について解説する。(社会保険労務士 榊 裕葵)
法的に許されない
「アウトな左遷」の特徴は?
「左遷」は働く人にとって脅威を感じるキーワードではないでしょうか。
もし会社から左遷を命じられたとしたら、ショックを受けつつも、発令された以上、それに従わざるを得ないと考えている方も多いのではないかと思います。
確かにわが国の労働法においては、解雇が厳しく制限されている代わり、左遷を含め、会社には広範な人事異動の裁量権が認められています。
しかし、その裁量権は決して無制限に認められているわけではありません。
本稿では、法的に許されない「アウトな左遷」と、不服であっても従業員は従わざるを得ない「セーフな左遷」の線引きについて、4つのポイントに焦点を当てて解説したいと思います。