投資対象としてゴールド(金)を保有している人はあまり多くないだろう。しかし、「ゴールドが近い将来最も有力な投資先の1つになる」と提唱するのは、YouTube再生回数1億回を超える人気投資家の高橋ダン氏だ。著書『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』では、ゴールドに投資する根拠から投資の実践方法まで余すことなく語った。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。
ゴールド投資のチャート術
チャートの読み方は人それぞれで、投資家の数だけ読み方があります。
そのため、ここでは私が使っている指標を例にして、金価格のチャートについての基本的な見方をお話しします。
私が常に確認している指標は、MACD、RSI、ボリンジャーバンドです。
誰でも簡単に使えるMACD(マックディー)
MACD(通称:マックディー)は、移動平均線を2本使って値動きのトレンドを見る指標です。
MACDの設定パラーメーターは3種類あります。
「短期EMA」「長期EMA」「MACDシグナル」です。
一般的には、短期EMAを12、長期EMAを26、MACDシグナルを9と設定している投資家が多いです。
パラメーターは、小さくするほど相場の変動に敏感な設定になります。
例えば、短期間で売買を繰り返す投資家の中には、短期EMAを6、長期EMAを13、MACDシグナルを4といったように、上記の半分の設定を活用している人もいます。
見方としては、2本の線が上向きのときは上昇トレンド、下向きのときは下降トレンドで、線の向きが変わったところをトレンドの転換点と見ます。
また、2本の線は、上昇トレンドのときは中心線より上、下降トレンドのときは中心線より下で推移し、トレンドが長くなるほど中心線から離れます。
「2本の線がクロスする時」が、買い時と売り時のサイン
ピンポイントで買い時、売り時を見るときは、先行している線と遅行している線の交差を見ます。
遅行している線が先行している線を下から上にクロスするときは、下降トレンドから上昇トレンドに変わるサインとなるため、買うタイミングです。
一方、遅行している線が先行している線を上から下にクロスするときは、上昇トレンドから下降トレンドに変わるサインですので、空売りのタイミングと判断します。
さて、この基本を踏まえて実際のチャートを見てみます。
2020年のチャートを例にすると、金価格がコロナショックで急落したのち、価格が上がっていくポイントから、MACDが上向きに変わっていることがわかります。
トレンド転換を示唆する上向きのクロスも発生しています。
また、金価格が2000ドルを超えて反落するタイミングで、MACDが下向きに変わっていることもわかります。
ここでは下降トレンドへの転換を示唆する下向きのクロスが発生しています。
いずれの場合もトレンド転換を示しますので、MACDが上向きのときは買い、下向きなら空売りでエントリーする根拠になります。
(本原稿は『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』からの抜粋・編集したものです)