今週NY株式市場が値下がりする中で、5月17日の取引で金価格が上昇し、約3ヵ月ぶり高値を付けた。米国債利回りの低下、インフレへの警戒感、アジアでの新型コロナウイルス再拡大の懸念などを背景に、ゴールドが買われている。「ゴールドが近い将来最も有力な投資先の1つになる」と提唱するのは、YouTube再生回数1億回を超える人気投資家の高橋ダン氏だ。著書『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』では、ゴールドに投資する根拠から投資の実践方法まで余すことなく語った。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。
金価格は、米ドル価格と反対に動くことが多い
金価格のチャートチェックは、まず米ドル価格の動向から見ていきましょう。
なぜなら、これまで触れてきた通り、金はお金の一種として認識されている部分があるため、お金という点で競合関係にある金価格と米ドルは逆相関で動くことが多いからです。
ここでは、米ドル指数(DXY)という指数を使って米ドルの動向を確認してみます。
米ドル指数は、ユーロ、円、ポンド、スイスフランといった複数の主要な通貨に対して、米ドルがどれくらいの水準にあるかを表すものです。
DXYと米ドルの価格は連動性があり、DXYが高いときは、米ドルがその他の通貨に対して買われていることを示し、DXYが低いと米ドルが売られていることを示します。
チャートを見ると、2020年3月の終わりごろをピークにして、DXYが下がっています。
これはドルの価値が下がっていることを示しているため、逆相関で動くことが多い金価格は上がっていく可能性が高いと読むことができます。
FRBの発表があったときなども、まずはDXYを見て金価格の方向性を掴むとよいでしょう。
(本原稿は『ゴールド投資──リスクを冒さずお金持ちになれる方法』からの抜粋・編集したものです)