九州で50年超愛される「ブラックモンブラン」が背水の陣で関東進出した理由Photo:Diamond

九州地方で圧倒的な知名度を誇るアイスクリーム「ブラックモンブラン」。商品を手掛ける竹下製菓は、佐賀県に拠点を持つ創業100年以上の老舗企業だ。最近はコロナ禍で立て続けに困難な経営状況に直面してきた。一方で、埼玉県に新たな拠点を設けて販路拡大を試みるなど、歴史ある商品を守りながら新たな柱を作るべく奮闘している。その中心人物である5代目社長に話を聞いた。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)

九州地方で根強い人気
「ブラックモンブラン」とは?

 さっぱりしたバニラアイスをビターなチョコレートでコーディング。サクサクのクッキークランチがその周りを包む…。九州地方で長年、根強い人気を誇るアイスクリーム「ブラックモンブラン」をご存じだろうか。

 福岡県出身の20代男性は、「地元のコンビニや駄菓子屋などで売っていた。周りもみんな知っていてとても有名」と話す。男性は大学進学で上京し、むしろ全国区の商品ではなかったことに驚いたという。

 ブラックモンブランを手掛けるのは、佐賀県小城市に本社を構える竹下製菓だ。ブラックモンブランは、1969年に発売されて以来、50年超にわたってロングセラーとなっている同社の看板商品。関連商品も含め、年間2000万個ほどを販売している。