1年以上続くコロナ禍。感染収束のカギを握るとされるのがワクチンだが、日本の接種状況は世界に大きく後れを取っている。一方で、中国ではコロナはほぼ収束を迎えており、中国製ワクチンの接種も進んでいるようだ。ただ、実際の接種状況が国外のメディアで語られることは少ない。そこで今回は、中国国内でコロナワクチンを接種した現地在住の日本人に、自らの体験や感想について聞かせてもらった。(日中福祉プランニング代表 王 青)
中国でのワクチン接種
どのように進められたのか
日本では新型コロナウイルスの感染拡大が全国各地で深刻な状況で、重症者や死亡者数は増加傾向にある。現在も多くの自治体に緊急事態宣言が出されており、収束の兆しが見えない。
収束のカギを握るのが「ワクチン」だが、そのワクチンの接種をめぐっては、さまざまな混乱が続き、「予約システムに重大欠陥」「予約の固定電話網がパンク」といったニュースが毎日あふれている。英オックスフォード大学などが公表するデータによれば、ワクチンを少なくとも1回接種した人の割合は18日時点で世界平均約9.3%なのに対して、日本は約3.9%。発展途上国レベルの水準だと報じられている。
一方、中国ではコロナはほぼ収束を迎えていて、経済活動がコロナ禍前の状態に戻りつつある。ワクチンの接種も順調に進んでいるようだ。今回、筆者の仕事上の関係者や知人など、中国・上海市に住む数人の日本人から、現地のワクチン接種状況について、その手順や自らの体験、感想を聞かせてもらった。
まず、ワクチン接種がどのような手順で行われたのかを聞いてみた。