どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化した『ハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。
2)ハードのデザイン
前回説明したソフトのデザインの次は、「ハードのデザイン」。つまり建物の構成だ。
ここで不動産投資家として最低限知っておかなくてはいけない構造形式がある。
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)の3形式だ。
おそらく街を歩いて見ていたり、自身が今まで住んだりしてきた建物の構造形式を、大抵の方は3つのうちのどの形式か言い当てられるのではないだろうか。
構造形式は文字通り建物の運命のみならず、投資の将来的な運命も決めてしまう。地方の木造アパート新築投資は費用も安く、建設期間も短い。投資のハードルが低そうで取り組みやすいと考えて、サラリーマンの与信背景をもとに投資に飛びついてしまうと、自身のこれからの不動産投資家としての運命を決めてしまうことになる。
その前に、まず下の図を見て欲しい。
このカーブと直線の組み合わせで表現されたグラフは、それぞれの構造形式を採用した場合に、その不動産が辿る将来の不動産評価額と銀行の担保評価、そして残債の関係を示している。
言い換えると、将来あなたの残債を引いた純資産がどれほど大きくなるか、または選択を間違えた場合は、どれほど債務超過に陥るのかを示しているのだ。
そして銀行の担保評価指標は、将来あなたが、さらなる物件購入ができるかどうかを教えてくれる。
たとえば、図の左上の新築鉄筋コンクリート造のケースを見て欲しい。
新築RC造の場合は47年で建物の価値がなくなり土地の価値のみになるが、その前に十分余裕を持って残債をゼロにすることができる。つまり銀行の担保価値は、返済が進めば進むほど担保価値も徐々に出てくるのだ。
そして不動産評価額は微減はあるものの、安定して高水準で推移する。