どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要がある。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお伝えする。特別編としてお届けしている対談記事の第3回。対談ゲストは、不動産賃貸業、不動産経営に関するコンサルティングやセミナー、不動産仲介事業を行う会社を経営し、自ら不動産投資家としても活躍する広瀬智也氏だ。コロナの影響で、今不動産業界に起こっている消費者ニーズの変化とは何か? 不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。

コロナの影響で、不動産業界に顕著に起きている消費者ニーズのある変化とは?Photo: Adobe Stock

いい物件を仕込んでおけば、暴落の波が来ても耐えられる

上田真路(以下、上田) 今は不動産投資始められて、もう何年目ぐらいになるんですか?

広瀬智也(以下、広瀬) もう、18年とかですね。

上田 その中で、もうゲームから下りたほうがいいんじゃないかっていうギリギリの時期とかは、ありましたか?

広瀬 そういう面ではあんまり、私の場合はないですね。リーマンショックの時に、土地を仕入れて、戸建てを建てて売るとかの短期でやってた方とかは、多分市況が悪くなると辛くなると思うんですよ。1年のファイナンスで組んでて、物件が売れないと返せないみたいな。でも、私の場合はそういう買い方は基本的にしていないので…。あとは入居者が入って家賃が入ってきたら、普通に返済できるような感じで借りてれば、そこは大丈夫だと思うので。

上田 いい物件を仕込んでおけば、暴落の波が来ても耐えられるということですよね。

広瀬 そう思いますね。

上田 ほんと共感します。逆に私のほうは、自分が建築家というのもあるので、やっぱりいいものを建てたいという別のモチベーションがあって、なのでだいたい開発案件にいってしまうんです。大変だったのは、アベノミクスが起こって、足元でどんどん建設費用が上がってきて、周りの建設会社がバッタバッタ倒産した時ですね。建設会社が吹っ飛んじゃうので、完成しないみたいなこともありましたので……。本にもコラムで書いたんですけど、途中で地下工事だけして、それで建設会社が倒産するっていう事態が起こって、パニックになりました。

広瀬 それは、大変ですよね。

上田 やっぱり、建設リスクをどうやって負うのかは、なかなか難しいなと常々思いますね。

広瀬 私も4棟、土地から仕入れて建てたがことあるんですけど、全部、建築のコンサルの方とか建築士に入ってもらって、現場をチェックしてもらったり、というのをやったので何とか大丈夫でした。2010年とかですかね。周りでやっぱり、建築会社が途中でストップしちゃって、みたいな話はチラホラ聞いてました。

上田 2010年だと、坪単価70~80万円とか平気である時代でしたよね。なかなか、もう今だとそういう安い坪単価で、なかなか建築できない状態になっちゃったんですけど。

広瀬 今だと土地探して建てても採算が合う気がしないんで、全然、土地は見てないです。そういう点で上田さんみたいにちゃんと見られて、発掘してっていうのは素晴らしいなと思います。

上田 まだまだ都心の中でも小さい土地とか、容積率が余ってる土地とかも、まだまだあるにはあるので、ほんと宝探し状態ですけれども、成立するなとは思いますね。結構、読者の方の中でもすでに、自分なりの「Creating α(クリエイティングアルファ/平均値を上回るように不動産投資をクリエイティブに考える)」を考えてくれている人もいますので。

広瀬 それは面白いですね。そういうのいろいろ集めて、また本にしたりとか?(笑)。

上田 そうですね。2冊目はほんとに『不動産デザイン』という、直球のタイトルで出せれば面白いですけどね。