どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーこちらからどうぞ。

投資総額10億円超えのメガ大家10人から学んだ7つの教えPhoto: Adobe Stock

サラリーマン引退時に、総投資額10億円の大家さんに

 漠然と不動産投資で不労所得を形成したいと思いながらも、手探りでセミナー参加や読書を繰り返し、物件を見学する日々が2年ほど続いたある日のこと。たまたま友人の結婚式で知り合った金融関係の方に不動産からの不労所得でサラリーマンを引退したと聞かされた。

 しかも、サラリーマン引退時で既に総投資額が10億円ほどに上っていると聞いた。いわゆるメガ大家だ。驚いたと同時に、2年間も勉強やセミナー参加をしていて、いまだに1円も不動産に投資できていない自分と、何か決定的な違いがあると確信した。

 その彼は気前よく、その次の週にコーヒーチャットの時間をつくってくれた。春の陽気漂う日で、赤坂アークヒルズの裏にあるオープンテラスのカフェの窓際だったことを今でも鮮明に覚えている。単刀直入に「今のメガ大家という状況を何がつくっているのか?」という質問をしてみた。

 意外にも、彼の答えは理論的な戦略や資産背景、あるいは生まれが金持ちかどうかなどではなく

あの頃の気合い

 という意外なものだった。

 そして彼も、よくメガ大家仲間と情報交換をするそうだが、年齢世代を問わず、皆口を揃えていうのは、不動産投資を何がなんでも、今、はじめるという「気合い」のおかげで今がある、ということだと教えてくれた。

 何年経っても投資物件ゼロの自分と、このメガ大家との決定的な差が、すぐにわかった。まだ何の投資も実行していないということだ。そして投資を実行していなければ、もちろん大家でもない。