SBGの決算書を解読する鍵とは?
林教授 ソフトバンクグループの2020年度の業績を見ると、売上高より税引前利益のほうが多くなっている。さらに、親会社所有者帰属分の利益が別に書かれている。これがSBGの決算書を解読する鍵だ。
カノン どういうことですか?
林教授 最初に留意すべきは、これは連結決算書ということだ。つまり、複数の会社の合算であり、複数の事業の業績をまとめた決算書ということだ。
カノン 携帯や通信の事業だけではないんですか?
林教授 SBGの事業には、投資事業、ソフトバンク事業、ファンド事業、アーム事業などがある。
林教授 ソフトバンク事業は通信を行うソフトバンク株式会社、YahooやLINEを経営するZホールディングスなどだ。
カノン 上の表にあるようにソフトバンク事業の売上高が5.6兆円で、これがSBGの売上でもあるんですね。
林教授 その通り。日本の5兆円企業といったら日本製鉄、デンソー、住友商事だよ。このソフトバンク事業はとてつもなく大きいし、SBGの固定収益を稼いでいるんだ。