38万部超のベストセラー『餃子屋と高級フレンチ』シリーズでおなじみの著者・林 總氏の最新刊『たった10日で決算書がプロ並みに読めるようになる! 会計の教室』がダイヤモンド社から発売になりました。本連載では、同書の中から抜粋して決算書を読み解くために必要な基本の知識をお伝えしていきます。登場人物は、林教授と生徒の川村カノンの2人。知識ゼロから始めて、いかにして決算書を読み解くスキルを身につけていくのか? 川村カノンになったつもりで、本連載にお付き合いください。好評連載のバックナンバーこちらからどうぞ。

先生、会社にとって<br />投資って、<br />本当に必要なのですか?Photo: Adobe Stock

投資キャッシュフローは
固定資産への資金運用と資金回収の差額

林教授 次は投資キャッシュフローについてだ。これは「現金製造機」である固定資産への資金の運用と固定資産を処分することによる資金の回収を表している。
 

①現金製造機への資金運用(支出)
②現金製造機からの資金回収(収入)
③その差額

カノン 先生、会社にとって投資って本当に必要なんですか?

林教授 おいおい、将来の経営者にしてはずいぶんと不用意な発言だね。

カノン やっぱり必要なんですね! 父も投資を怠ったら、すぐに競争相手に先を越されてしまうといつも言っています。でも、借金して投資するんです。それが理解できなくて……。

林教授 君のお父さんが言うように、会社が存続し続けるためには投資が不可欠であることは確かだ。投資を怠れば儲けは確実に減り、競争から脱落する恐れがあるからね。

カノン そういうものなのですね。

林教授 投資をする理由は、将来の営業キャッシュフローのためなんだ。将来への種まきのようなものだ。

カノン 投資と言っても、いろいろあると思いますけど……。

林教授 そうだね。頻繁に行われるのは今の事業を維持していくための事業投資だね。機械設備の入れ替えや拡張、コンピュータの更新などだ。

カノン 父は毎年機械を買っています。単に機械が好きだからと思っていました。