「小学四年生」で人生が決まる? 格差が格差を生む令和の「新型格差社会」とは写真はイメージです Photo:PIXTA

 格差が格差を生む“新型格差社会”、令和日本。社会学者・山田昌弘さんは、『新型格差社会』(朝日新書)で、格差を5分類することで根本的要因を指摘。<家族><教育><仕事><地域><消費>それぞれにおける格差の実態について、ここでは、旧来型の「住宅すごろく」が機能しなくなったことで生まれる“格差”について本書より抜粋・改編してお届けする。

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「住宅すごろく」が機能しない

 三十年程前までは「一般的なサラリーマンが歩む定型人生ルート」なるものが、暗黙のうちに成立していました。男女問わず、その人の年齢と職業を聞けば、どういった住まいで、どのような暮らしを送っているのか、大概の想像ができたものです。

 その原因の一つは、多くの日本人が「住宅すごろく」とも呼べるゲームに参加していたからです。幼い頃は<実家>に暮らし、10代後半からは<下宿>や<アパート>暮らし、20代後半で結婚し、<社宅>や<賃貸>マンションなどに住み、30代で夢の<(戸建て)マイホーム>を手に入れてゴール。それが「住宅すごろく」の道筋でした。