2019年の入職率

2019年の入職率出所:厚生労働省「雇用動向調査」令和元年

 労働市場は常に動いている。多くの人が今の職を離れ、多くの人が新しい職に就いている。労働市場における人の流れを把握するために、厚生労働省は年に2回、全国の事業所を対象に雇用動向調査を行っている。この調査からある年の年初の労働者数とその年に事業所に入職した労働者数並びに離職した労働者数が分かる。

 コロナ禍前の2019年の数字を見てみると年初の労働者数は5045万人であり、年間の入職者数は844万人、離職者数は786万人である。年間の入職者数を年初の労働者数で割って得られる入職率は約17%、同様に計算される離職率は16%である。入職率から離職率を引くとその年の労働者の増加率が分かるが、この年に関しては1%労働者が増加したことになる。つまり、ストックである労働者数が1%増加した裏ではフローである労働移動が16%から17%発生していたことになる。