投資家は、米国経済が過熱する可能性を何度も検討しているが、世界の他の国々はまだ、新型コロナウイルスのパンデミックから回復にも至っていないことを忘れてはならない。ワクチン接種の加速により、経済の見通しは世界的に改善している。経済協力開発機構(OECD)は1日、世界の国内総生産(GDP)成長率の見通しについて、今年は5.8%、来年は4.4%とし、12月時点の予想(今年4.2%、来年3.7%)からそれぞれ上方修正した。財政措置によるコロナ対策で米国の平均的世帯の可処分所得が以前よりも増加していることから、市場では経済が過熱する可能性はわずかながらあるとの懸念もある。米国では物価統計が急上昇しており、1日に公表された統計によれば、ユーロ圏でも5月のインフレ率が2%と3年ぶりの高水準となるなど上昇傾向にある。また、製造業の購買担当者を対象とした米景況感調査は過去最高の数値を記録し、供給面の不足が示された。
米国はインフレ懸念、他国はパンデミック後遺症
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