ジョー・バイデン米大統領は政権発足直後の公務のひとつとして、世界保健機関(WHO)に米国を復帰させた。バイデン政権はWHOの「強化と改善」に取り組むと約束してきた。その努力は、先週のWHO総会を見る限り、うまくいっていない。WHO総会は出だしでつまずいた。中国が台湾の参加を阻止し、その過程で米国に恥をかかせたのだ。民主主義の台湾は総会へのオブザーバー参加を希望していた。台湾は新型コロナウイルス対策で世界最高水準の成果を示してきており、世界に教訓を広められるはずだった。アントニー・ブリンケン国務長官は先月、「台湾をこの会議から排除し続けていることを正当化する理由はない」と述べ、先進7カ国(G7)は台湾の参加を支持した。しかし、台湾による全ての国際機関への参加を阻止しようとしている中国が、西側の民主主義諸国に打ち勝った。